T突刊福島の焼き鳥 電子版

初めて訪れた町で、どこかで一杯やっていくか〜、と繁華街をうろうろする。
あてもない、たくさん並んだ店の中から「お、ここ行ってみっか」という判断をするのは店構え、看板のたぐいである。

「このノレンの感じは高そうだけど味もよさそうだな」
「この店構えなら安くて大衆向けの店だ」
「汚い看板だなあ。絶対にここはまずい店だ」

などなど、人は店構えを見ただけで一瞬にしてその店のことを判断している。
そしてその判断はほぼ間違ってないといえるのではないだろうか。

店構え(看板、のれんなども)を意匠するとき、店は次のような観点から決定すると思われる。
まずは、売り物が分かるということ。
ラーメン屋はラーメン屋らしく、割烹は割烹らしい店構えをしていると遠くからでも何を売っている店か分かる。これは利用者にはありがたく、安心感を与える。
次が店の個性を表現するということ。
高級志向、こだわりの味、安いので気軽に寄って下さいな、など、その店が路上に対して訴えかける声を表現する場でもある。

まさしく店構えはその店の顔であります。

で、本論。
焼き鳥屋にももちろんいろんな店構えがあります。
その店はいったいどんな店なのか。いったい何をアピールしているのか。
そんなことを推測することは、これから焼き鳥屋を始める方には有益な情報であり、かつ焼き鳥ファンとしては間違いのない店選びをするための選択眼を養うことになる。

そこで、インターネットで拾ったいくつかの焼き鳥屋の写真を見ながら、焼き鳥屋の店構え、看板について考えていきたいと思います。

さて、まずはこの写真。
正しい、正統派の焼き鳥屋です。
  
「焼き鳥」を記号化する場合、「赤」「黒太筆字」がキーワードです。
赤地に黒い筆字(寄席文字のような書体)が書いていれば、たとえどんな文字が書いてあろうと焼き鳥屋というメッセージを通行者は受けます。

ほら、これでも焼き鳥屋って感じがするでしょう。

この店構えは安心です。まさに正しい「焼き鳥屋」であるはずです。まず間違いなく「安い」「大衆的な」焼き鳥を楽しめるでしょう。3000円でおつりが来ると思います。


同じ赤地でも、縦書きにするとちょっと洋風な感じになりますねえ。水割りが置いてそうだ(たぶん置いてあると思うんだけど)。


これも王道をいってますが、ノレンは紺。紺のノレンは「日本」の表現ですね。ちょっと高級感がプラスされる感じしませんか。なんか和服のおかみさんが焼いてるという感じもする。

 
この2軒は紺ののれんのみ。
赤を排除するとやっぱりちょっと値段が高い気がするなあ。5000円ないと入りずらい。
赤がないことで、赤の猥雑さが大衆性を表現していることが逆によく分かる。

さてこの店。焼き鳥「鳥」。名前もすごい。

一枚板にちょっとこだわりの書を掘ってあります。この店構えから伝わるメッセージは「こだわり」!肉はどこかの地鶏でお酒も厳選されている感じがする。そこに焼き鳥記号である、赤地に黒筆字のちょうちんが下がっているのが、判断の難しいところ。こだわりの味だが、値段もお手ごろ。私はそんなメッセージが伝わった。

はい、次。
  
これはどうなんでしょう。焼鳥ダイニングなかなか。焼き鳥屋の店構えには見えない。
こだわり系であるのは間違いなさそうなんですけど、この扉。なんか高級スナックのようじゃないですか。
高級系、こだわり系、値段かなり高め系、大衆のお客さんじゃなくて味の分かる方しか入ってほしくないなー系、という印象を持ちますね。半分ひがみ入りだけど。(あくまでも写真も見ての感想なので実際は分からないですよ、あくまで)

デートも出来る焼き鳥屋、ってこれからの狙いどころでもあります。

さ〜て、ここからが分からない!

どうだ!

焼鳥べてい。

ベティちゃんが、べていちゃんになるとこれかい。→
でもこのべていちゃんは、いったい焼き鳥といったいどんな関係があるというのか??

この店のこの看板は何を訴えているのであろうか。私には読めない・・・・・。


すごすぎるーー。

次!これです!


やきとり モモちゃん。

キティちゃんの鼻をブタ鼻にしてピンクにしたのがモモちゃん、ってことなのだろうか。

しかしこのモモちゃん、焼き鳥といかにも不釣合いな気がするのは私だけであろうか・・・。
いったこの店のご主人、どんな思いをこめてこのような店にしたのだろう。
これでは入りにくいよ。普通の人は。

最後はこれだーー。


右上に見えますか。
焼き鳥サンバ。左下には「四次元酒場」と書いてある・

焼き鳥サンバ、四次元酒場。
そしてこの藤原紀香ふう(??)女性。服装はフランス風なのか。左手に持っているのはワイングラスか。
で、これは本当に焼き鳥屋なのか。

4次元酒場ってことは、玄関を開けると4次元空間に入っていけるって意味なのか?
分からない、分からない・・・。

誰か。素敵な解釈をしてほしい。

いやはや。いろんな焼き鳥屋があるもんだ・・。




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